特許情報 | 遷移金属のリサイクル CN116670310A [SK]

CN116670310A-リチウム二次電池の遷移金属のリサイクル方法
申請日:2021-12-27
公開(発表)日:2023-08-29

技術的な問題

正極活物質には高価な有価金属が使用されており、正極材料の調製に多大なコストがかかる。また、近年の環境保護問題の高まりに伴い、正極活物質のリサイクル方法が検討されている。正極活物質を回収するには、正極から遷移金属前駆体を高効率かつ高純度に再生する必要がある。
 

技術的手段

リチウム二次電池の遷移金属を回収する方法は、以下のステップを含む:リチウム二次電池の正極から正極活物質を調製し、正極活物質を第1の酸性溶液で処理して、第1の酸性浸出溶液を形成する。正極活物質に対する反応当量に相当する量よりも少ない量の還元剤を含み、第1浸出液に含まれる量を除いた還元剤を含む第2の酸性溶液で正極活物質を処理する溶液と、残りの正極活物質の一部が第2の浸出液を形成する。
CN116670310A [SK]

例1

使用済みリチウム二次電池から分離した正極材料1kgを450℃で1時間熱処理した。熱処理された正極材料を小単位に切断し、粉砕してLi−Ni−Co−Mn酸化物正極活物質サンプルを得る(ステップS10)。
正極活物質サンプル0.1kgを3M硫酸溶媒0.6kgに加え、正極活物質の反応当量に相当する過酸化水素量の0.4倍量の35%過酸化水素水を調製し、3Mに添加した。硫酸溶媒を加え、80℃、1気圧(atm)の条件で6時間反応させた。残留正極活物質と反応後に残った溶液とを分離して、第1浸出液と残留正極活物質とを形成する(ステップS20)。
残りの正極活物質を3M硫酸溶媒に加え、残りの正極活物質の反応当量に相当する1.0倍量の過酸化水素を35%過酸化水素水として3Mに加えた。硫酸溶媒に加えて6時間反応させた。反応後に形成された溶液を分離して第2浸出液を形成する(ステップS30)。
形成された第1浸出液は、コバルト抽出工程に添加されてコバルトを回収し、連続的にニッケル抽出工程に添加されてニッケルが回収される。また、第2浸出液は、マンガン抽出工程に添加してマンガンを回収するとともに、コバルト抽出工程及びニッケル抽出工程に連続的に添加してコバルト及びニッケルを回収する(ステップS40)。
マンガンの抽出プロセスでは、50% ケン化 1M D2EHPA 溶液が抽出剤として使用されます。具体的には、D2EHPAを灯油で希釈して1M D2EHPA溶液を調製し、この希釈した1M D2EHPA溶液にD2EHPAのモル数の50%に相当するモル数のNaOHを加えてケン化処理を行うことにより、50%D2EHPAを得る。ケン化1MD2EHPA溶液。得られた50%けん化1M D2EHPA(有機相)と第2浸出液(水相)を有機相/水相比が4.5となるように混合し、マンガンを抽出した。
さらに、コバルト抽出プロセスでは、40% ケン化 0.8M Cyanex 272 を抽出剤として使用しました。 40%けん化0.8M Cyanex 272(有機相)と第2浸出液(水相)を、有機相/水相比が2.0となるように混合し、コバルトを抽出した。
さらに、ニッケル抽出プロセスでは抽出剤として 60% ケン化 1M PC88A を使用しました。 60%けん化1M PC88A(有機相)と第2浸出液(水相)を有機相/水相比が3.5となるように混合し、ニッケルを抽出した。

技術的効果

上述した実施形態によるリチウム二次電池の遷移金属回収方法において、比較的少量の還元剤を添加してコバルト及びニッケルリッチ溶液である第1浸出液を調製することができ、比較的少量の還元剤を、第1の浸出液の後に残った残留正極活物質に添加して、マンガンに富んだ溶液としての第2の浸出液を調製することによって調製することができる。この場合、コバルトとニッケルを抽出する工程に第1浸出液を直接添加することでコバルトを高純度で回収することができ、マンガンを抽出する工程に第2浸出液を添加することで高いマンガン抽出率を実現することができる。 。したがって、リチウム二次電池の遷移金属の回収効率を向上させることができる。
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